アスリートのスキルを可視化する

アスリートのスキルを可視化する

 

アスリートのセカンドキャリア。

皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

引退後の野球選手がラーメン屋を開いて失敗。

競技生活中の金銭感覚が抜けずに自己破産。

セカンドキャリアに関するイメージはネガティブなものばかり。

僕は今年23歳になりますが、22歳の昨年、セカンドキャリア問題に直面しました。

そして今、その苦しみが原体験となり、現在はアスリートのスキルを可視化するWebサービスを開発しています。

今回はそんなセカンドキャリア問題を取り扱った内容です。

 

 

セカンドキャリア問題とはなにか?

セカンドキャリア問題とは一体なにか。

僕は大きく分けると3つの問題があると思っています。

  1. アイデンティティーの喪失
  2. お金
  3. 理解

 

アイデンティティーの喪失

僕自身の話をすると、僕は昨年まで日本IBMのラグビー部に所属し、プロのラグビー選手になるために生活をしていました。

詳しいことは以前、こちらの記事に書きました。

ここでポイントなのは、僕がプロラグビー選手になるためと言い切っていることです。

プロになるのは目標ではなく、プロになるのが当然だと思っていました。

これはつまり、「本気度」「思い入れ」桁違いだということです。

僕は友達や両親にもそのように公言していたし、そのための生活や食事、もちろんトレーニングもしていました。

すべてをかけてラグビーのために生き、すべてをかけてラグビーのために生活をしました。

しかし、人生とは思いも寄らないもので、ある日突然、僕はラグビーに対する情熱を失ってしまいました。

そこで直面したのがセカンドキャリア問題

すべてをかけてラグビーのために生きていた人間が心の中の主軸を失い、自分が何者なのかわからなくなってしまいました

陸上の元オリンピック選手でアスリートのセカンドキャリア問題に取り組んでいる為末大さんは、以下の記事でこんなことをおっしゃっています。

セカンドキャリア支援で特に重要なのは、引退直後の数ヶ月から1年だと思うんです。というのも、アスリートの引退って人生の中心にあったものを失うという意味で「失恋」に似てるんですよ。だから、いろんな人に話を聞いて、心の空白を癒したり、「人生ほかにも色々あるしな」と切り替えたりする時間が必要なんです。

ああ、しかも20年以上「恋してた」選手もいるわけですよね。それを失うというのは辛い……。

僕はこの記事を読んで、心の底から共感しました。

「大きな失恋」

しかし、周りに相談できる相手はどこにもいない。

この苦しみは僕の人生の中でもっとも辛いものでした。

これがセカンドキャリア問題の1つ目。

アイデンティティーの喪失です。

 

お金

お金はアスリートにとっても重要な問題です。

多くのアスリートは引退後にお金にかなり苦しむというイメージがあります。

いったいなぜか?

それはおそらく、多くのアスリートが「自分にはこのスポーツしかない」と思い込んでいるからです。

しかし、実際には多くのアスリートは非常に優れた目標達成能力を持っています。

個人競技の場合。

自分が達成したい目標を定め、それを越えるために思考を凝らし、目標を達成する。

集団競技の場合。

次に勝利する相手を定め、その相手を分析し、相手に力を発揮させないような闘い方で勝利を掴む。

ビジネス的な言い方をすれば、どちらも非常に優れたPDCAをまわす自走力を持っています。

その他にも、チームをマネジメントする力やコミュニケーション能力、雰囲気を作る力や細部にこだわる力。

このように、アスリートは一般にポータブルスキルと呼ばれる能力を高いレベルで保持しています。

しかし、引退後の多くのアスリートはこのことに気が付いておらず「自分にはこのスポーツしかない」「自分は〇〇しかできない」と塞ぎ込んでしまい、悩み、もがき、苦しみます。

その結果、貯金の少なくなったアスリートはお金のためにとりあえず就職をし、とりあえず給料を受け取り、自分の人生に意義を見出せないまま働くことになるのです。

これがセカンドキャリア問題の2つ目。

お金です。

 

理解

多くの企業は引退後のアスリートを積極的に採用したいといいます。

しかし、実際にマッチングがうまくいくことは多くありません。

それはお金の問題で述べたように、アスリート自身も自分自身の能力に気が付いていないから。

そして、企業側もどのようなポジションにどのアスリートを配置をすればそのアスリートが活躍できるのか、理解ができていないからです。

一口にアスリートといっても実は多くの異なるアスリートがいます。

フィギアスケートの選手はアート思考でなにかを生み出すことが得意だろうし、陸上選手なら一つのことを突き詰めることが得意。

ラグビー選手はタフな状況でのコミュニケーション能力がずば抜けているし、サッカー選手なら常に全体を俯瞰的に見る能力が高い。

それぞれのスポーツにはそれぞれの特徴があり、それと同時に、それぞれのポジションにはそれぞれの特徴があります。

しかし前述したように、アスリート自身も自分自身がスポーツの中で培った能力を認識できていなければ、同じように企業側も理解していない。

これがセカンドキャリア問題の3つ目。

理解です。

 

セカンドキャリア問題の解決策

ここまではセカンドキャリア問題の実態を述べてきましたが、実はこれらの問題を理解すると見えてくる解決策があります。

その解決策とは、アスリートがスポーツの中で培ったスキルをデータとして可視化することです。

 

アイデンティティーの喪失 → 解決策

アイデンティテーの喪失とは自分がなくなってしまったと思い込んでいる状態です。

つまりこれは、自らのスキルを0か1かで捉えてしまっていることに問題があります

「自分にはこのスポーツしかできない

「自分はスポーツしかやってこなかったから…」

そんなことはありません。

アスリートは何かしらの突出した能力を持っているはずだし、その能力は必ず社会に還元することができる。

また、本来ならスポーツで成功した人間が社会にでれば、今まで以上に輝けるはずです。

 

お金 → 解決策

お金の問題は、自分にはなにができ、なにが向いているのかわからないアスリートが考えることに時間を費やしてしまった結果です。

これを解決するためには、アスリートがスポーツの中で培ってきた様々なスキルを把握することができるようにし、それを元に多くの情報を参照することができるようにすればいいのです。

もしそれが実現すれば、引退後のアスリートが苦しむ時間は短縮され、お金の問題に遭遇することも少なくなります。

 

理解 → 解決策

多くのアスリートが引退後に輝きを失ってしまうのは、自分の仕事に生き甲斐を持つことができなくなったからです。

しかし、アスリートが持つスキルをデータとして表示させることができれば、その問題はなくなるのかもしれません。

アスリートからも企業からも、双方にとってアスリートがどのようなスキルを持った人間なのか理解されるようになれば、採用のミスマッチは次第に減っていき、引退後のアスリートもイキイキと暮らしていくことができるでしょう。

 

アスリートのスキルを可視化し「翻訳者」となる

アスリートのセカンドキャリア問題。

僕は実際にその苦しみを味わいました。

また同じように、僕の周りにも苦しんでいる人が存在します。

僕は人々に感動を提供してきたアスリートたちにこれほど苦しい思いはして欲しくないし、その後の人生も華々しく送って欲しいと思っています。

ここまで述べてきたように、この問題を解決する鍵となるのはアスリートが現役中に培ったスキルをデータとして可視化し、アスリートと企業、双方にとってそのアスリートがどのような能力を持っているのかを認識させることです。

つまりこの作業は翻訳であり、僕たちはアスリートと社会をつなぐ「翻訳者」にならなければいけないのです。

しかし現在、この問題に一緒に取り組んでいるのは僕を含め、2人だけ。

まずは今までこの問題に取り組んできた方々からヒアリングをし、実際にどのような問題が存在して、どうしてこれまで解決できなかったのかを徹底的に調査する。

そしてその後、どのような価値基準でスキルをデータ化すれば良いのか、各スポーツごとの特徴やスキルを分類し、その結果をシステムとして反映させる。

そのために僕は都内にあるG’s Academyというプログラミングスクールにも通い、技術を身につけました。

先ほども述べました通り、そのプログラミングスクールではこの問題に一緒に取り組んでくれる仲間も見つけ、すでに着々と動きはじめています。

しかしやはり、僕らだけでできることには限りがあります。

口でいうのは簡単ですが、実際の難易度は高い。

ヒアリングをして、その結果をシステムに反映し、実際にWebサービスやアプリを作ることは、なんとかできる。

しかし実際に作り上げたとしても、アスリートの皆さんに使ってもらえなければ意味がありません。

さらに、資金の問題もでてきます。

そのサービスを持続可能なものにするためには、どこから資金を調達してどのようにマネタイズをするのか。

いいアプリが必ずしも市場からの評価を得るとは限らなければ、使いやすいアプリだからといって、みんなが使ってくれるとも限らない。

そこで皆さんにお願いがあります。

前述した通り、現在は今までこの問題に取り組んできた方々からヒアリングをしています。

ですので、もし皆さんの周りにこの活動に興味や関心を示してくれる人がいれば、その人を紹介をしていただきたいです。

セカンドキャリア問題に終止符を打つため、僕たちは全力で走り続けます。

すべてのアスリートや努力をしてきた人々が苦しまない世界を目指して。

 

P.S.

最後になりますが、簡単に作成した資料を添付させていただきます。

プレゼンツールの都合上、英語で書いていますので、何かわからないことがあればお気軽にご質問をしてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。