社長の給料の仕組み

社長の給料の仕組み

 

みなさんこんにちは。

今日は皆さんが気になる社長のお給料についてお話しします。

昨年僕は会社を設立し、株式会社Applouderの代表取締役に就任しました。

そこでまず問題になったのが、自分の給料をどうするか?と言うことでした。

会社を設立したのはいいものの、僕はもともと経営学などを学んでいたわけではないので何もわからず、とにかく必死で勉強をしました。

ですので、今回はその情報をシェアしたいと思います。

 

 

前提知識

取締役は株主総会で決める。代表取締役は株主総会で承認された取締役の中から、取締役会で決める。定款に特別な定めがない限り代表取締役の人数に上限はないが、実際に会社の経営を行う人を便宜上、社長と呼ぶ。社長やその他の(代表)取締役の給与は会社法上、役員報酬という呼び方をする。

 

お給料は経費?

税法上、役員報酬は損金不算入(経費として計上できないこと)です。

僕はこのことを知って驚きました。

なぜなら役員以外(被雇用者)のお給料が経費として計上されているということを知らなかったからです。

みなさんが経費と言われて思いつくものなんでしょうか?

飲食店なら料理に使う食材や光熱水費。

一般企業ならオフィスの賃料や雑費、交通機関の移動代、会社のホームページのサーバー料金。

お給料というものは、これらと同列に経費という括りでまとめられているのです。

しかし、給料経費というのは納得できます。

カール・マルクスの『資本論』という本にも書かれていますが、資本主義というのは商品の集合体です。

会社の社長は会社を商品として保有しているし、そこで働く労働者は労働力を商品として提供しています。

ですので会社の視点から考えると、お給料=経費というのがしっくりきます。

会社は労働者の労働力を経費で買い、会社の商品を開発する。

そうであれば当然、お給料は経費になるということです。

 

社長のお給料

さて、話が少し逸れてしまいましたので、早速本題に戻ります。

社長のお給料は原則として損金不算入とお伝えしましたが、それに当てはまらない2つの制度があります。

 

  1. 定期同額給与
  2. 事前確定届出給与

 

多くの社長は主にこの2つの制度を利用して自分のお給料を経費として計上し、節税に努めています。

それでは1つずつ見ていきましょう。

 

① 定期同額給与

定期同額給与とはその名の通り、定期的に同額を自分の報酬として支給する制度ですが、この制度をよく理解していないと後から痛い目に合ってしまいます。

この制度は世間一般的に言われているお給料とほとんどが同じ仕組みで、税務署への特別な届け出も不要です。

 

定期同額給与の決め方

定期同額給与の報酬額の決め方は以下の通り。

  1. 株主総会で役員報酬の総額を決定する。
  2. 取締役会で株主総会で決定した総額を超えない範囲で各役員の報酬を決定する。
注意

起業したばかりで株を持っているのが自分一人だったり、自分以外に役員がいない場合でも株主総会や取締役会を開く必要があります。とはいうものの、一人では議論でさえできないので、形式的に議事録を作成することが現実的です。議事録は税務調査の際にも必要となることがありますので、必ず作成しましょう。

 

定期同額給与の注意点

定期同額給与には、一点だけ一般の給料と異なることがあります。

それは

定期同額給与は途中で変更できない

ということです。

ここからは少し分かりにくい話になるので、要点をスライドにまとめました。

 

定期同額給与と損金不算入

まずは、定期同額給与と損金不算入の定義から。

定期同額給与というのは、先ほども述べたとおり、皆さんのお給料と同じ仕組みです。

また、損金不算入というのは経費として計上されないお金のこと。

つまり自分のお給料として支給したのに、法人税や所得税の課税対象になってしまうということです。

 

定期同額給与の適応基準

定期同額給与の注意点でも述べましたが、この制度には少し特別なルールがあります。

それは、給与額の変更は期首から3ヶ月以内の変更のみ可能ということです。

もし給与額を4ヶ月目以降に変更してしまうと、その年次の給与の最少額が定期同額給与だとみなされてしまいます。

そしてその定期同額給与より溢れた部分の金額に対しては、法人税や所得税がかかってしまいます。

 

弊社の場合

弊社は10月が決算月で、11月が事業開始年度の初め、つまり期首になります。

ですので、もし僕が自分の報酬額を変更しようと思ったら、11月、12月、1月、の間に変えなければいけないということです。

ここからは例え話として、僕が毎月20万円のお給料を定期同額給与として受け取る、という仮定で考えていきましょう。

※これからでてくるスライドの青色は定期同額給与緑色は損金不算入として計上されるので覚えておいてください。

 

毎月20万円を支給する場合

僕が毎月20万円の報酬を支給する場合。

毎月同じ日に20万円ずつを支給していたので、報酬に課税されることはありません。

 

途中から毎月25万

会社の売り上げが予想以上に伸びてきたため、2月からは毎月25万円を支給することになりました。

その結果、2月から10月にかけて5万円ずつが損金不算入として計上され、合計で45万円に課税されることとなりました。

 

支給額がバラバラ

また、次のような場合はどうでしょう?

11月〜1月までは毎月20万円、2月に40万、3月に30万、4月はまた20万、、、

このような場合も同様に20万円が定期同額給与とみなされ、そこから溢れ出た105万円に税金がかかってしまいます。

 

定期同額給与の変更は期首から3ヶ月以内

毎月のお給料を変更するには、期首から3ヶ月以内ではないといけないとお伝えしました。

では、あまり現実的ではありませんが、11月に30万、12月に50万、1月に20万円というように報酬を支給した場合はどうなのでしょうか。

ご覧のように、その後10月の期末まで毎月20万円を支給し続ければ問題はありません。

 

もしも20万円が払えなかったらどうなるの?

僕はこれまで定期同額給与は毎月同じ日に、同じ額を支給する仕組みだとお伝えしました。

しかし、もしも会社の資金繰りの影響で20万円が払えなかったらどうなるのか?

実はこれが

1番恐ろしいこと

なのです。

なぜなら定期同額給与は、その年次の報酬の最少額を定期同額給与としてみなすためです。

 

毎月20万縁支給してたけど、10万円しか支給できなかった…

例えば毎月20万円を支給していて、10月に10万円しか支給できなかった場合。

支給された最少額の10万円が定期同額給与としてみなされてしまい、合計110万円に課税されてしまうことになります。

 

1円も支給できず…

次は3月に5万円、8月には報酬をまったく支給できなかった場合。

恐ろしいことにこの場合の給与の最少額は0円とみなされ、合計で205万円に課税されるということになってしまいました。

 

定期同額給与のまとめ

以上のように定期同額給与は非常に複雑な仕組みとなっています。

ですので起業してからすぐの報酬はできるだけ少なめにして、支給できないことがないように努めることが上策かと思います。

 

 

② 事前確定届出給与

事前確定届出給与とは役員に対する賞与

つまりボーナスのことです。

 

事前確定届出給与の決め方

  1. 株主総会などで決議をした日から4ヶ月以内、または期首から4ヶ月以内に、所轄の税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出する。
  2. 届出書とおりの支給日に決定した金額を支給する。
注意

実際の支給日が1日でもずれてしまうと、損金不算入として課税の対象になるので気をつけてください。また、新設法人(起業したての会社)は設立日以降、2ヶ月以内に届出書を提出しないといけません。(起業してすぐにボーナスは払えないと思うので、あまり気にしなくていいですね。)

 

まとめ

今回は社長のお給料=役員報酬について解説しました。

正確にはこの他にもたくさんの支給方法がありますが、僕にとってはまだまだ縁遠い話です。

特に定期同額給与については非常に複雑な制度で、理解が足りないと大変な思いをしてしまいます。

自分で調べてもわからない場合などは思い切って、専門家に相談しましょう。

 

P.S.

ちなみにですが、僕が社長のお給料の仕組みを知ったのは起業してから4ヶ月を経た頃でした。

それまでの報酬支給額は0円。

つまり、現在の報酬も0円ということになります…。

みなさんも報酬額の決定は念密に、計画的に行いましょう!笑