人は欠損に恋をする

人は欠損に恋をする

 

この間、テレビでたまたまあいのりを見ていて、ある男性がある女性の弱さを見て感情を動かされていました。

その女性は自分の弱さや脆さを自覚していて、自分を越えようと必死に戦っていた。

その姿を彼女のすぐ隣で見守っていた彼は彼女のことを自分が支えていかなければいけないと感じ、その瞬間に恋が芽生えました。

 

 

どうして恋が芽生えたのか?

この現象は一体なんなのか。

それは、人は人の頑張る姿やひたむきな姿に感情を高め、恋をし、応援をするということです。

以前から僕も、人の余白に強烈に魅かれてしまうと感じていて、それをうまく言語化してくれたのが高須クリニックで有名な高須院長のこの言葉。

高須院長の言葉

人は欠損に恋をするんです。黄金率でないもの、弱いもの、足りてないもの、人はそれを見た時、本能で補ってあげようとする。その弱さや未熟さを自分だけが理解していると思う。欠損の理解者になるのです。

これは高須院長の彼女である西原理恵子さんが院長に整形手術をお願いした時にかけられた言葉です。

 

高校野球とiPhone

僕は現在の高校野球とiPhoneも、欠損のおかげで成り立っていると思っています。

おそらく、多くの人が高校野球に熱中する理由も欠損だし、iPhoneの使用率がここまで広がったのもスティーブジョブズという人間に欠損があったから。

人々はあどけなさの残る高校球児が必死に頑張る姿を見て感動する。

このあどけなさが欠損であり、余白。

スティーブジョブズはジョブズ特有のわがままや、人に対する無礼な扱いで知られています。

そうすると周りの人が心配して、仕事をうまく回してくれたり、いつも以上に頑張ってくれる。

ジョブズの場合は彼の性格的な欠点が欠損であり、余白でもあります。

 

パーフェクトの功罪

パーフェクトであることは素晴らしい。

それはもう、圧倒的に素晴らしい。

しかし、完璧であるが故に誤解を招いてしまう。

「あの人は何をやらせても一流だ。」

「あの会社は何をやっても完璧だ。」

本当はそんなことはありません。

僕が中学生の頃激ハマりしていた曲にMiley Cyrusの”Nobody’s Perfect”という曲があります

Everybody makes mistakes.

Everybody has those days.

Everybody knows what, what’ I’m talkin’ ‘bout.

Everybody gets that way.

その曲はこんな歌詞から始まるのですが、自分の16歳の誕生日にカリフォルニアのディズニーランドを貸し切りにした彼女でさえ、誰一人として完璧でないと歌っています。

では一体なぜ、そんな彼女が社会的な大成功を収めたのか?

それはきっと、多くの人がその完璧でない姿に自分の感情を重ね、心の底から彼女を応援したからです。

AppleのスティーブジョブズやAlibabaのジャックマー、ジャスティンビーバーや日本の浅田真央選手だって、彼らはみんな完璧ではない。

それでも彼らが愛される理由。

それは彼らが欠損を見せているからからです。

スティーズジョブズが亡くなりティムクックがCEOになってからというもの、Appleの製品に魅力がなくなったという人は少なくありません。

Appleほどの大企業のCEOになるのだから、ティムクックが優秀であることは間違いない。

しかし、優秀であることと周りから熱狂的に応援されることとは別物なのではないか。

優秀で完璧な存在には余白がない。

「彼らは完璧だから放っておいても大丈夫。」

「彼らなら彼らだけで何でもできる。」

その結果、その完璧な存在は徐々に影を潜めていくのです。

 

欠損のある〇〇戦略

ビジネスというのは社会を巻き込んでのお節介です。

そして法人というのは、完全なるお節介を勝手に行い続ける自分勝手な存在で、そんな存在が生き続けるためには社会から必要とされたり、応援されなければいけません。

完璧という名のお節介は非常に嬉しいのですが、そもそもこの世の中に完璧なんてものは存在しないし、完璧になるメリットも少ない。

それにもかかわらず、多くの人は自分をより良く見せようとし、完璧を演じます。

もしその完璧がミスをしようものなら、人々は激昂し、その完璧を非難する。

完璧によって高く掲げられたハードルは容易に下げることを許されず、もしその期待値を下回ってしまえば、その完璧は完全なる裏切り者として烙印を押されてしまいます。

このようなことを想像すると、個人や法人、コミュニティの戦略として、常に欠損や余白を残しておくのがいいのではないかと考えました。

だから、誰一人として自分の欠損を蔑んだり悲しんだりする必要はないし、僕も将来的には自分の会社を欠損のある人間の集団にしようと思います。

ここまで読んでくれてありがとうございました!